笑いは「届けてもらうもの」だと思っていませんか?
テレビをつければ、お笑い芸人が巧みな話術や動きでお茶の間を沸かせています。でも、わたしたちはたいてい「笑いを届けてもらう側」。受け取って楽しむ立場です。
仕事で落ち込んだ日も、お笑い番組でたっぷり笑えば、不思議と気持ちが上向く。笑いは、疲れた現代人にとって癒しであり、ちょっとした薬のようなものです。
では、もし自分が「笑いを届ける側」になれたら? 身の回りの人を笑わせ、和ませ、元気づけられたら——それは素敵なことだと思いませんか。「そんなの一部の才能ある人だけ」と思うかもしれません。でも、実はそうとも限らないのです。
笑いには「型」がある
プロのお笑い芸人は、すべてをゼロから生み出しているわけではありません。先人が見つけた笑いの法則・公式・パターンを自在に使いこなし、組み合わせて笑いを生んでいます。
つまり「笑い」には、ある程度まで再現できる仕組みがある。わたしたちが芸人と同じネタを書く必要はありません。その「笑いのエッセンス」を学び、自分なりの形でアウトプットすればいいのです。
最も有名な法則「緊張の緩和」
笑いの法則でもっとも有名なのが「緊張の緩和」です。上方落語の落語家・桂枝雀が提唱した理論で、ひとことで言えば「張りつめた緊張がふっとゆるんだ瞬間に、人は笑う」というもの。
たとえば、こわばった空気の会議で、誰かのひと言で全員がふっと笑う。あの「ゆるみ」こそが笑いの正体です。この考え方はお笑いの世界で広く知られ、いまも多くの笑いの土台になっています。
「お笑いデザインパターン」という考え方
「緊張の緩和」のような理論は、正確に定義しようとするとどうしても抽象的になります。理論としては必要なことですが、芸人ではないわたしたちには、もう少し具体的なほうが使いやすい。
そこでこのサイトでは、さまざまな笑いの理論や法則を具体的な「型」に落とし込み、「お笑いデザインパターン」と呼ぶことにします。
この「デザインパターン」という言葉は、もともと建築やソフトウェアの世界の用語です。先人が見つけた設計ノウハウに名前をつけ、再利用しやすいようカタログ化したもの——それを「笑い」に応用したのが、お笑いデザインパターンです。
誰もが笑いを生み出せる
「笑いを生むのはセンスのある一部の人だけ」とつい思いがちです。でも実際は、いくつかのパターンが存在し、それを巧みに操ることで再現性高く笑いが生まれています。
これまで「届けてもらう側」だった人も、型を学んで行動に移せば、身近な人を笑わせ、和ませ、元気づける「届ける側」になれるはずです。
次のページからは、その具体的な型——8つの「お笑いデザインパターン」を順に見ていきましょう。世の中にもっと笑いがあふれたら、それはとても素敵なことだと思いませんか。